基準を守る

昨日、大きな地震がありました。被害にあわれた皆様のご冥福をお祈り申し上げます。

プールサイドのブロック塀が倒壊して、小学生が被害にあいました…。

とても残念な事です。

倒壊したブロック塀を見たとき、愕然としました。

公共施設で、あのような建築基準に違反する物があるとは…。

外構工事(エクステリア)は、デザイン等を重視して、安全性を無視した構造をしている場合を多々見かけます。

ブロック塀はもともとあまり強度はありません…。その為、地面から高さ2.2メートルまでと決まっています。事故が合ったプールのブロック塀は、道路側からは3メートル超となる構造です。ただ、プール側を地面とすると1.6メートルなので問題ないといえば…。ただ、ブロック塀は6段以上積む場合、控え壁を設ける必要があります。高さ1.2メートルを超えるブロック塀には、長さ3.4メートル以内に控え壁を設ける事になっています。

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この控え壁は絶対にブロック塀において、省いてはいけない構造です。地震や風からブロックの転倒を防ぐ為に必要な構造です。

残念な事に、この控え壁が、今回の倒壊したプールのブロック塀には無いように見えます…。

仮に、発注者からの仕様書に省略されていたとしても、業者が危険性を指摘しなけれべならない気がします。

今回のプールのブロック塀ですが、あくまでも私の推測です。建築当初は、フェンスだったと思います。子供たちの水着姿を見えないように、目隠しの為に道路面のみフェンスからブロック塀に変更したのではないでしょうか?プールサイドに控え壁を設けると、子供たちが遊びに夢中になり、ぶつかって怪我をする恐れがある為、控え壁を省略したように思われます。

こういった、子供たちの為の工事は、親からの要望による事が多く、学校を管理する行政による工事ではなく、PTAが自費で行っている事が多くあります。

行政が行う工事であれば、建築基準を考慮しますが、PTAによる場合は、費用を重視して、建築基準を無視してしまう事がありがちです…。

とにかく、外構工事においても、基準を無視した構造は、とても危険だという事です。

外構工事(エクステリア)を行う会社のほとんどは、自社施工ではなく、下請けに丸投げするデザイン重視の設計士が非常に多いです。建設業の許可もない会社ばかりです…。

今回のような事故がないように、外構工事も最低限の基準を守った構造にする必要があります。外構も建築物の一つであり、その構造は堅固でなければなりません。特に、ブロック塀のような重量がある構造物は、倒壊した時に大事故になる危険が高いので、基準を守った構造にする必要があります。

自社においても、改めて、注意が必要だと思いました。安全第一です。