東海豪雨から20年

東海豪雨から、20年という歳月が経ちました。

温暖化の影響で、50年に一度、100年に一度と言われる大雨、ゲリラ豪雨がしばしば起きるようになりました。

9月10日は下水道の日です。下水道というと汚水のイメージですが、もう1つの大きな役割として雨水の排水という役割があります。

田舎は、田畑が多く、庭も広い家が多くある為、雨天時の保水能力が高いです。逆に都会は建物が密集しており、土の面が少ない為、自然の保水能力はほぼ0に等しい状況です。都会では、大雨による浸水被害を防ぐ為には下水道の整備がかかせません。実は、田舎でも浸水被害が多いのは、山が多い田舎の地域で、限られた平坦な場所は、山と山に囲まれた周りに比べると土地の高さが低いところに家が建っている事が多いです。山あいの平坦な場所は河川が多く土地が低いところに家を建てる事は昔の人はしませんでした。

それにしても、問題な事は、下水道の老朽化が都市で進んでいる事。そして、温暖化による気象の変化により、日本においてもスコールのような短時間豪雨が頻繁に起きるようになってしまった事です。下水道の排水能力を大きく上回る大雨…。はっきり言って、これから都市部は浸水の被害が多くなるでしょう。現在の下水道の排水能力ではもう対応できないのです…。

また、もう1つの大きな原因は、河川の砂や砂利を採取がなかなかされなくなった影響もあると思われます。

昔は、大きな川沿いには、たくさんの砂の採取場所がありました。河川の上流から流れてきた砂を採取業者がとり売っていたのです。その際、川が流れやすいように考えて砂を川底からとっていました。

それが現在は、河川の管理者が、どんどん砂の採取にかかる料金を高くした結果、採取業者が河川から砂をとらなくなってしまっています。

どうしているかというと、河川に近い、田畑等を借りて深く掘りそこから砂を採取しています。河川がきちんと整備される前は、河川は広く浅く広がっていたため、現在の河川のまわりの土地のほとんどは昔は川だった場所であり、深く掘ると砂が取れるのです。

これからは、逆にお金を払ってでも、河川の砂を採取してもらわなければ、ゲリラ豪雨時に河川が度々氾濫する事になります。

東海豪雨の復旧作業に私も参加した経験がありますが、浸水による被害の復旧はとても大変です。これから高齢化社会をむかえ、若い社員のいない建設業界では、災害の復興が遅れる事が予想できます。

残念ながら、水害が起こり難い土地に移住するという決断をしないと、毎年、同じところが水害になる可能性があります。

氵、水、川、池、沼、州、堀、島という漢字が使われている地名の場所は、水害になる確率が高いと昔から言われています。そういった土地には住まない方が良いかも知れません。

と、強弁している私の家は住所に池がつきます…。

 

とにかく、これからは、ゲリラ豪雨のリスクは年々高くなります。