商売について考える

弊社は5月決算です。直近の決算の数字がだいたい決まりました。私は、どちらかというと、内部留保を厚くすることよりも、将来にむけて資機材への投資と社員への給与での還元を重視しております。お金が必要な時は、現在の低金利であれば銀行にお願いすればよいと考えております。なので、決算の数字はお恥ずかしいことにあまり良いものではありません。

いつもわずかな黒字となるようにしているつもりなのですが、2から3期ごとに失敗して赤字を出します。赤字だから会社がつぶれるということはありません。もちろん継続して赤字はまずいので、赤字を出した期からは、繰越欠損金を埋めるために、確実と黒字となるように注意をします。

現在の経済情勢だと、残念なことに、実質的な円の価値は目減りしていくばかりです。とくに私たちの商売においては、車両と重機が必須なのですが、この二つの値上がりは本当にすごい勢いです。1年1割高くなっていくイメージです。昔は、3~4トンクラスのバキュームカーやパッカー車は、600万~700万で購入することができましたが、現在は、1000万です。しかも、納期は下手をすると2年近くかかります。大型に至っては、特種車は4年~6年かかる状況です。

仕事があっても車がない・・・。というのは、一番ダメなパターンです。せっかくのビジネスチャンスをこんな事で失っていては、経営者として失格です。

そこで、新車が手に入らず、1年落ちの新古車を買うわけですが、こちらは、新車価格よりも高くて1200万とか無駄に2割も多く払う必要が出てくるわけです。というわけでこのパターンも経営者としてはどうでしょうかね?

常に、経営というか商売というのは、将来を予測する必要があります。商売って何で差がつくか?やはり経営者の志向でしょうね。

私の場合は、単純に、資機材と人です。ほかより多く仕事をこなす事により、お客様の目にとまり集客につながるわけです。

資機材と人と書きましたが、会社で働く人は会社の資産なのです。私もそこまで出来はよくないですが、世の中の経営者で、会社の業績が悪いことを従業員のせいにしたり従業員をコストだと考える、本当に出来の悪い経営者が存在します。会社の業績というのは、全て経営者の責任なんですがね・・・。自分で頭を使って商品を売る方法を考えなければなりません。

実は、従業員は会社にお金を生む資産という考え方ですが、やっと世の中がそれに向かい始めました。

人的資本経営と呼ばれており、国も力をいれています。人的資本経営とは、人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方です。大手企業においては、この人的資本経営に関する情報開示も現在は求められております。そういった中で、よく学びなおしとかが話題になってきてますよね。

私てきには、この学びなおしって意味があるのか?と正直おもっております。私にとっては、仕事中は常に学びの場だからです。仕事中に仕事のやり方とか向上をはかるのは働く人にとって当たり前な事のはずなんですが、その当たり前の事が最近はできていないから、人的資本経営や学びなおしが注目されているんでしょうかね。

中小企業は大企業と違い限りある人材を大切にする必要があります。そこにコストをかけないでどうするんでしょうかね?そりゃ、商売もうまくいかないし、人もあつまらないです。

商売には投資も必要です。物だけではなく、人にも投資しなければなりません。物だけあっても活用する人がいなければ意味がないですしね。

おかげさまで、出来の悪い経営者の私ですが、会社の業績は順調です。ただ、将来的に不安な事は、やはり人です。これからますます従業員の確保は難しくなります。優秀な人材を求めているわけではありません。みんなと協調し真面目に働いてくれる健康な人であることが一番重要です。弊社は人を育てる事ができる会社だと私は思っています。だから、みんな定年退職まで働いてくれるだと思います。

これから、本当に、企業間で人の取り合いが始まりますよ。すでに始まっております。今まで大企業は大卒がメインでしたが、高卒まで募集をし始めました。その結果、中小企業には、今まで来ていた高卒の新卒者がとれない状況となっております。中小企業の人材確保はこれから本当に大変ですよ。今まで弊社は新卒採用はしておりませんでしたが、今年度からは新卒採用も挑戦していきます。これによりどれくらい弊社に実力があるかがはっきりわかるからです。新卒者の採用が困難であれば、選ばれない会社というわけです。これは、単に人材の確保だけではなく、違う視点からすると、商売としても魅力がない売れないにつながるわけです。

当たり前で人を大切にする会社でなければ、これからの人口減少していく日本では、商売はなりたちません。