プレミアム・ブランド

なんと、ギターのニ大メーカーであるアメリカのGibson社が、破綻しました。

昔から、ギターといえば、GibsonかFenderです。

ギター弾きなら憧れるブランドです。

ギター弾き以外の人に、伝えるとしたら、時計業界に例えると、ロレックスとオメガみたいなものです。このニ大メーカーの片方、あえていうなら、ロレックスが破綻したような状況です。

Gibsonが破綻した背景は、推測ですが私はこのように考えます。

①若い世代のギター離れ②中古ギターの流通③安価なギターの流通④良質な木材の枯渇

①若い世代のギター離れは、特に日本とアメリカにおける問題のようです。車離れと同じで無駄に見栄(所有欲)がなくお金を使わなくなった。

②昔は、中古ギターは、楽器屋さんしか扱っておらず、市場にはあまり中古は流通してなかったが、現在は個人売買も含めて、中古が数多く出回り、個数が飽和状態となっている。

③中国や韓国製のギターは、昔は楽器と呼べるレベルではなかったが、時が経ち、ある程度使える物になり、世界中で安価で販売されている。

④本来、ギターに使われている高級な木材が、環境保護の為に入手が困難となった。

一番の失敗は、ブランドの崩壊です。Gibsonと言えば、高級ブランドで音が良いと2000年くらいまでは、間違いなくほとんどのユーザーが言ってました。しかし、最近は、安価なモデルに手を出した事と粗悪な中古品の流通により、Gibsonのブランド(音質)が崩壊してしまいました。Gibsonは焦って質より量の方向性となってしまったのですが、そこから従来のGibsonユーザーは離れてしまいました。そして、若い世代は、高くていい音が出ないGibsonは買いません。というより、本物の良い音がするGibsonのギターの音を知らないのです。

ブランドが崩壊したGibsonは、ついに破綻してしまったのです。

トップブランドと行っても、経営戦略を間違えると破綻してしまう時代です。シャープや東芝なども危ない時期がありました。米トイザらスもそうです。

ビッグネームとなっても、破綻してしまうのです。正直、恐ろしいなと思います。それくらい厳しい時代、市場が急速に変化する時代と言えます。

Gibsonは、再建するでしょうが、おそらく再建してもうまく行かないでしょう。数字上の経営的にうまく行ったとしても、楽器メーカーとして良い楽器を世に送り出すという本来の目的は達成できない気がします。

最後に良い時代のGibsonのレスポール、年間500本程度の生産だった1959年製のレスポールは、中古で3000万以上の値段がつきます。有名どころだと、奥田民生さんや、エックスのパタさんが所有してみえます。ちなみに、この方たちは、今のようなプレミアム価格になる以前に購入しています。

これから、2000年以前のGibsonは、おそらく価格が高騰して行くでしょう。将来に投資して、買うなら今かも知れません…。