同一労働同一賃金にモンスターの影

同一労働同一賃金…。

大きな企業は来年から、弊社のような小さな会社は再来年から適応をうけます。

大きな会社は、そろそろ終身雇用、年功序列は無理ですと言いはじめました。

そして、このタイミングで同一労働同一賃金。

働く人にとって、響きが良い、同一労働同一賃金。

ずばりこれ、昇給がなくなると言う事です。

一般的な企業の給料ベースは、初任給で月額20万円、退職前で月額40万円くらいです。これに手当が加算されます。※中小はもう少し少なく大企業はもう少し多いです。ただし大企業は50歳くらいから減給となる為、意外に近い数字になるかも知れません。

じゃ、皆さんの望む同一労働同一賃金にしよう!!

一律30万円ベースです。

生涯で貰える金額は同じです。

というのは、間違いです。 退職金、年功序列による退職時40万円ベースと同一労働同一賃金による30万円ベース、どちらが多いですか?

欧米式の同一労働同一賃金、これは、欧米では能力がない人間は即時解雇なのです。

能力が高くなければ、高い雇用金額の会社で働けないのです。仮に働いても能力が見あってなければ即時解雇です。

同一賃金同一労働、響きは良いですが、最終的に、働く人が能力に見合わなければ即時解雇できる、企業にとって有利なここを目指しています。

経団連は、独自で次年度から最低賃金を1100円にしますと言っております。

現在の最低賃金926円 が1100円になったら、アルバイトやパートを使っている中小企業は一気に淘汰されてしまいます。人は1100円の企業に流れていきます。

そして、体力がなくなった中小企業のうち、技術的に魅力がある会社を大企業が買い叩くのです。その後、経営スタイルを大企業流に改革する訳です。

世の中が大企業にとって都合の良いルールに変わって行くのです。

同一労働同一賃金

響きは良いのですが、大企業は欧米式の能力主義の雇用形態に移行しようという事です。

能力が低い人は、一生、低賃金の訳です。今は人手不足ですが、人口減少によりサービス業のニーズが減り、AIやIoTがすすみ事務系の仕事が少なくなると、下手をするとを働く場所がない…。なんて事にもなります。

 

ちなみに、よく勘違いされやすいですが、同一労働同一賃金ですが、別に年功序列が駄目と言ってる訳ではないのです。

同一な労働であれば、同一な賃金ルールで雇いなさいという事です。

年功序列というルールがあるなら例えば外国人であっても、ちゃんと年功序列をしてあげ給料のベースも一緒にしてあげて下さいと言う事です。

手当や賞与も雇用契約書に定めてあれば日本人と同様に支払いなさいという事です。

但し、日本語の言語力が低くコミュニケーションが取りにくい事や帰国する際に長期休む事があるということ等を、ベースから減算評価をするという事が明確な評価があれば問題ありません。

高齢者の再雇用者についても、年功序列の特異性である退職前の高賃金ではなく、実際の労働に見合った基準賃金(同一職種に携わる社員の平均賃金等)を上限として、そこから、体力面や技術向上面の衰え、部下の育成義務や職務上の責任がない事等が、正規社員と比較し評価が低くなります。上限である基準賃金から評価すると、通常は基準賃金×0.6〜0.7くらいとなります。

分かりやすく言うと年功序列による正規社員の平均賃金が30万円だとすると、これに×0.65をすると約20万になります。

これを下回った場合は社会通念上において再雇用者に対して不当に低い金額を支払っているという事になります。

但し65歳を過ぎて正規社員との比較評価で0.5とかの評価となるのは問題ありません。評価が0.5を下回った場合については、さすがにそろそろ退職して下さいとなる訳です。

同一労働同一賃金、響きは良いのですが、よく仕組みを理解すると、実際には、働く人にとってどうなのでしょうね?

私はquestionマークがつきます…。

大企業という労働力を搾取して見せかけの利益を出しているモンスターが人を使い捨てにする時代を目指している気がしてなりません…。