M&Aの罠

いま、M&Aが流行りです。

が、買われる会社と売りたい会社の2種類があります。

どういう事かというと、①事業に魅力があり、この会社を買いたいというパターンと、②事業に魅力がなく引き継ぐ人もおらず、この会社を売りたいというパターンです。

①のパターンのM&Aは、面倒なくらいにM&A会社から連絡が来ます。弊社もそうですが…。

問題は②のパターンです。これで失敗する経営者が多量にでてきており社会的に大きな問題となっています。

事業継続が苦しくて会社を売りたい。そんな会社を買う人、普通に考えていると思いますか?いるわけないですよね…。

その結果は、売ったあとに、本来なら経営者が代わるわけで代表者の変更登記がされるはずが、もともとの経営者も少し社長という肩書に未練があり、登記をそのままにしてしまうケースがよく見られます。

で、会社を買ってもらったので安心だと思っていたら、会社の現金資産だけ吸い取られ、負債が残った状況を作られる訳です。元々の社長は、会社をすでに売っている訳なので、負債に対して気にしてないですが…。登記上では、代表者は自分のまま…。負債に対する弁済は元々の社長の自分が払わなければならない結果になるのです…。

自分が、社長という肩書を速やかに手放していれば、借金を背負う事にならなかったんですがね…。

というか…。もともと、倒産予定の会社を買う他の会社が基本的には存在する訳がないのです…。

中小企業の7割は赤字経営です。その赤字経営の会社が買われる訳ないのですが、ここが、M&Aの罠なんです。買ってもらえると盲信してしまった結果…。さらに大きな負債を抱えて、自己破産まで追い詰められます。

赤字の中小企業は、負債上手に処理し、素直に廃業することです。自分の責任を他人が庇ってくれるなんて都合の良い話はありません…。

国はM&Aを推奨してますが、引き継ぐ人がいないような会社に期待をもたせるような事はしてはいけないと思います。

まぁ、だいぶ大きな問題が出始めている為、もう少ししたらなんらかの規制がかかる事になると思いますが…。

そうなれば、待っているのは、大幅な中小企業の倒産・廃業でしょうね。

最近、私の中で一番驚いた倒産は、日本のギターメーカーのフェルナンデスです…。まさか、ここが倒産するとは、プロも使用しているメーカーだったのですが…。ギターは、捨てる人が少なく、中古品の流通が多い事と、少子化により、新品のギターが売れなかった事が、背景にあるのかな?と、思います。確かに世界の2大ギターメーカーのギブソンでさえも過去に一度経営破綻をしております。その後、なんとか持ち直して現在があるわけですが…。フェルナンデスにも救いの手が上がると良いのですが…。

まさか…。という会社が倒産すると言うことは、やはり経営はとても難しいのです。社会構造の変化に対応というか適応できなければ会社は生き残れない訳です。

会社はスクラップ&ビルドがされる事により、無駄を省き、新しい事にチャレンジして行かなければ、社会構造の変化の波を乗り越える事はできません…。

とは言っても、ビルドができる体力のある中小企業はほとんど日本には残ってないのですがね…。