難しい…。

昨日と今日、浄化槽の修理の現場でした。 浄化槽って、基本、壊れるんです。

壊れない浄化槽はほぼ皆無…。

壊れる理由は、劣化と施工不良です。

浄化槽の設置工事は、ほぼほぼ施工不良な場合が実は多いです…。

浄化槽を設置する時、穴を掘って、浄化槽を埋めて、埋め戻しをします。

浄化槽を断面図にすると樽型(O)です。

設置後上から埋め戻すわけですが、Oの下部の方が幅が狭く、上からドサドサと土を入れても、浄化槽の下の方は、ほぼ土は入りません。

本来であれば、埋め戻しは、砂で30センチ以内で行い、水締めをしながら埋め戻しをします。

が、そんな事をやっていては儲かりません…。なので、浄化槽を埋める為に掘った時に出た土を重機で一気に埋め戻しします。

その為に、浄化槽の周りに空洞が生じます。浄化槽は水を張ると、底部では、2トンくらいの荷重があります。2トンは車1台分以上の重さです。

適切に埋め戻しを行い浄化槽のまわりに、空洞がなければ水圧がかかっても浄化槽は変形しません。

しかし、浄化槽を埋める時に、手抜きをして、掘った土で一気に埋め戻すと浄化槽の周りが空洞になり、水圧がかかった浄化槽は割れます…。

残念な事に、浄化槽の設置工事は、ほぼ施工不良です…。

埋めてしまえば終わりで、それでよしです。

その結果、月日が経つと浄化槽が壊れます。

正直、浄化槽の修理は難しいです。

どこで割れているかを特定するのは、本当に難しいです…。

昨日と、今日の現場は特に難しく、頭が痛かったです。

住宅メーカーは、浄化槽等はどうでもよく、とにかく安く浄化槽を入れてくれる会社を選びます。

すると、新築はほぼ、浄化槽が施工不良となります…。

本来、浄化槽は土圧と水圧のバランスが取れていれば壊れません。

また、1年に1回、清掃(汲み取り)をすれば壊れにくいです。清掃を伸ばすと、汚物がたまります。汚物はガスを蓄える為に浮力が生じます。この浮力により、汚物を補足する為の部分に浮力がかかり、その部分が適正位置より上になってしまったり、場合によっては浄化槽を破壊します。

浄化槽の清掃は、最近の浄化槽だと、1年に1回、2〜3万円します。この清掃をしない事を売りにしている点検業者様もありますが、清掃をしない浄化槽は壊れて行きます。

そもそも、法律で1年に1回の清掃を義務付けています。

清掃をしないと浄化槽は汚れます。

浄化槽をマイカーと置き換えましょう。

汚いマイカーよりきれいなマイカーの方がいいですよね。

浄化槽も、本来ならきれいな方がいいのです。

悲しい事に、とても汚い浄化槽が存在します。浄化槽の汚水を処理する能力は、バクテリアによる捕食効果もありますが、固形物を槽内に蓄え、側溝等の放流先に流さない事が大前提です。固形物が槽内にたまるので、清掃(汲み取り)をします。

清掃をしないと、汚物が川や海に垂れ流しになります。

浄化槽は、適正な清掃をする事により、きれいな水を川や海に流せます。

適正な清掃がされていない浄化槽は汚物を垂れ流しにしています。それは、浄化槽ではなく通過槽です…。