壮大な社会実験

ベーシックインカムという言葉をご存知でしょうか?

ベーシックインカムとは、最低限所得保障の一種で、政府がすべての国民に対して最低限の生活を送るのに必要とされている額の現金を定期的に支給するという政策。

年金に似てますが、高齢者に対する年金は自分が現役時代に預けたお金を返してもらうという側面ですので、どちらかと言う生活保護費ですね。

ただし、ベーシックインカムの場合は基本的に生活保護を申請しなくても貰える制度です。

今、まさにベーシックインカムと同様の事が、新型コロナウィルスによる影響により、国民が拒否しなければ一律10万円が国から支給されるという大きな給付が行われました。

ベーシックインカムは、世界各国で、導入が検討されている生活保障制度です。

しかしながら、大きな問題が、それは財源です。

ベーシックインカムが採用されると、おそらく年金、生活保護費、労働保険等が廃止されます。

ベーシックインカムは、最低限の生活をする為に給付されるべきものであります。生活弱者を助ける意味合いの他に大きな目的があります。

それは、消費活動をする事です。

消費活動がされる事により、お金がまわり、経済が良くなるという期待がベーシックインカムにはあります。

残念ですが、今回の新型コロナウィルスの給付は、大失敗です。

ほとんどが、貯蓄にまわってしまい、消費に回されていない…。残念ながら、お金は消費されなければただの紙であり、消費された時に初めて価値が生まれます。

莫大な財源を使ったのに、消費活動がおきず、今回の壮大なベーシックインカムの実験は失敗に終わりました。

ベーシックインカムは、日本人には、あまり向いてないのかも知れませんね。

この壮大な社会実験のつけは、結局、何年かすると国民に回ってきます。

なぜ、期間を定めて消費税を下げなかったのか…。2年間程度、5%に戻すような大々的な税制改革が行われれば、確実に、景気は良くなるのですが…。

昨年、消費税が10%になりました。本来なら税収が増えるはずですよね…。新型コロナウィルスの影響でマスキングされていますが、どうやらかなりの減収となっているようです…。

税金が高くなると、景気は悪くなります。そして、企業の業績は悪くなり、その結果、国民の所得も減ってしまいます。企業の業績が悪ければ、国民の所得はさらに下がり、法人税や所得税も下がる…。

日本は、社会保障費も高すぎなんです…。税金も高い…。

国が豊かになるには、まず、国民が豊かにならねばならぬという当たり前の事ができていないのが、今の日本です。

消費が活発になり、お金がまわりお金が満ちれば、お金の海に、皆が浮かんで行きます。

上げ潮になれば、そこにいるほとんどの船は、底に穴が空いていない限り、浮く。

今のお金をばら撒くだけで、消費に回らない、日本初のベーシックインカムの社会実験は、私の目から見ると失敗です…。

国が自分たちに入ってくるお金の見込みが下がる事を恐れ、消費税を減税できない間は、この国は豊かになりません。経済人なら、当たり前で分かっている事なんですが…。