現場では予期せぬことは起きます。

つい先日、水道の引込工事で、土砂に巻き込まれて、設備工事会社の親子さんが亡くなられるという痛ましい労働災害事故がありました。まずは、ご冥福をお祈り申し上げます。

建設工事、特に土木工事の掘削工事は予期せぬ事態が起きやすいです。自然を相手にするわけですから、同じような仕事内容であっても、各現場ごとに土質も違えば近隣環境も違います。

今回、掘削地山が崩れて土砂に巻き込まれてしまったわけですが、写真で見たところ、まぁまぁ深い水路が隣接しており、そこの下を通す作業だったんじゃないかと個人的には予想しております。あの深さの掘削は通常の給水管取り出し、下水管取り出しではありえない深さです。私だったら、怖くてやりたくないと正直思う現場です。

水路の近くを掘削したことがある人はご存じだと思いますが、コンクリート製の水路って、ただ水を流すことが目的であり、そんなに精度は高くなりのです。経年劣化によりたわみや継ぎ目のモルタルが抜けているのは当たり前で、水路の水位より深く掘ると、水路の水が漏水して地山は一気に崩れます。

じゃ、どうすれば良いか?頑強なシートパイルを打込み作業する。但し、たかだか上下水道の引込工事で高額なシートパイルを打込み作業するのは費用的に無理なわけです。そうなると軽量鋼矢板を打込み簡易的な土留めをして作業するわけですが、あの深さだと、とても土圧に耐えることができません。事故後の画像なのでなんとも言えないですが、非常に掘削面積も広く、腹起しや切梁が確認できませんでした。ただ、矢板が刺さっているだけです。とてもあの深さの土圧に持ちこたえるとは思えません。

危険な作業とわかっていても、仕事を請けるのは末端の工事会社です。元請が安全を第一に考えて施工計画を立てており、安全な作業環境となるように配慮してくれればこういった労働災害は起きにくいのが現実です。被害を受けるのは、末端の下請けや孫請けです。

建設業の多重下請け構造は本当に見直した方が良いです。下に行けば行くほど適正な施工金額をもらえないのが建設業の実態です。

私があまり下請け仕事をやらないこともこういった部分です。自社の作業員の安全を確保する為には、元請けから提示された請負金額や施工方法では無理なことが多い為です。安全を確保する為にはどうなるかというと?赤字工事となるわけです。

まぁ、弊社が下請けで入る現場は、私が積算した下請け金額をもとに元請けが自社の管理費を積み上げて積算しているので、基本的には適切で安全な施工方法ができているわけですが。

それでも、事故というのは予期せず起きてしまうのです。だから、私は毎週初め、毎月初めに真清田神社に安全祈願に行きます。本日は、11月1日で月初めの安全祈願に行きました。

月始めの真清田神社は、早朝でもすごく人が多いです。信仰心があるというよりも、これにより安心を得られるというルーティーン化による人が私も含めて多いのではないでしょうか?

先月は、少し前のつぶやきで書きましたが、身内の不幸があり、喪中であった為、神社には足を踏み入れませんでした。なぜかその結果、気のせいか大きな事故ではないですが、社内での事故が目立った気がします。

経営者にとって、一番のリスクはやはり事故です。事故は起きない方がよいですが、お金で解決できる事故であれば、私はそこまで気にしません。しかし、社員の生命にかかわる事故はあってはならないことです。

今回、事故を起こされ、残されたご遺族のことを思うと、とても心が痛みます。誰も好きで事故を起こすわけではありません。ましては、すすんで死にに行くような人はいません。今回、安全マニュアルがどうのこうのと騒いでいる人がおりますが、親が生き埋めとなったら、子どもはそりゃ助けに飛び込みますよ。助けたい一心ですから。完全な安全を徹底しても、自然相手には予期せぬ事故は起きてしまうのです。亡くなられた故人と残された親族のことを考えるのではあれば、今はそっとしておくことが一番です。

しかしながら、今回の痛ましい事故を教訓に、建設業の多重下請け構造の見直しや、安全意識の徹底は怠ってはいけないと思います。

現場で働く皆さんも、明日は我が身です。ご安全に!!