昨夜、テレビを見ていて、落ちた犬を井戸の中に救出に行くのに酸素ボンベを…。なんて話を聞きました。
よく、酸素ボンベって耳にしますが…。
消防士さんや、ダイバーが背負っているのは、実は酸素ボンベじゃないんです。
じゃ、何か?というと、
空気ボンベです。
空気ボンベはネズミ色です。ちなみに、酸素ボンベは黒色です。
人は、呼吸する時に、酸素を取り込むので、酸素ボンベでいいじゃないかと思うかも知れませんが、酸素濃度が濃すぎても、高酸素中毒になってしまうのです。
酸素=空気のイメージがありますが、空気中の酸素濃度は約21%です。空気中で濃度が高いのは窒素で約78%です。残りの1%が二酸化炭素とか他の気体です。
なので、100%の酸素を体に取り入れるのは、普段吸っている空気中の酸素濃度よりも濃すぎるので良くないのです。肺の病気で酸素がうまく取り込めないようなときに酸素ボンベは使われますが、無酸素での救助活動等でつかわれるボンベは空気ボンベが正解なのです。
窒素はイメージ的に、窒息を及ぼすガスのイメージがありますが、空気中のほとんどが窒素なんです。ただ、単に空気中の酸素が体に取り込めなかった時に、窒素のみを吸うと死に至る窒息になるよというと事なんです。
ちなみに、火は酸素を必要とします。燃える事により、酸素を消費し、二酸化炭素になります。=酸素は火災をさらに強めるのです。なので、火災時に中の人を助けようと酸素を送ったりしたら火災が強くなり大変な事になります…。
溶接するときに酸素を使うのも、鉄を燃えやすくする為なんです。
酸素は鉄と仲がよく、鉄をサビさせます。酸化です。
密閉された鉄のタンクの中は、酸素が消費されて、酸素濃度が低く酸欠になってしまう事があるくらいです。
と、言うわけで、天の邪鬼な事を書きましたが、弊社のように酸欠の危険があるような槽内作業に携わる者は、こういった知識はちゃんと覚えておかないと、いざというとき事故に繋がります。そういった意味で仕事において経験も大切ですが、知識もないと駄目なのです。