大恐慌の恐れあり

年末からお話をさせていただいておりますが、やはり今年は、大恐慌の恐れが出てきました。

日銀の金利上昇により、各種の金利が上がる事は、ほぼ間違いなさそうです。さらに、企業物価の高騰による各種の値上げによる物価高騰は避けられない状況となってまいりました。

必ず必要な物にお金がまわり、我慢できるものについては、購入を考慮する買い控えによる消費の減退は、企業にとってかなり厳しいものとなります。大きな買い物である建物は材料の高騰により価格が上がり新築が売れない状況となっております。その影響で、土地の動きもあまりよくありません。飲食業や弊社のようなその他サービス業も厳しくなる事が予想されます。

悪い事ばかりという訳ではなく、今回の不況で、生き残れない会社には申し訳ないですが、そこで雇用されている人材が流出する事により、業績が良く人手不足の会社には、人を増やすチャンスとなります。

ただ、内部留保も厚く、利益率が高い大企業は、これから一気に従業員確保の為に、賃金を上げて行きます。現在の初任給は、業態にも寄りますが、高卒で19万~23万、大卒で23万~27万くらいが相場ではないだろうかと思いますが、これからは、+5万程度にスライドし、それを払えない会社には、人が集まらないこととなります。それどころか、昇給がなく上記の金額よりも安い賃金しか支払えない会社からは、既存の従業員が流出していく可能性が高くなります。

人口が減少している日本では、人手不足な為、失業率が短期的に増えたとしても、長期的には働くところがないと言った状況にはならない為、働く人にとってはありがたい事ですが、雇用側にとっては、人の確保は困難を極め、それが原因での人手不足倒産も、今後は増加していく事となります。

また、残念な事に、地方に関しては、産業=農業と観光です。農業と観光で産業を維持しなければ、地方の市町村は雇用の場がなく、若者が流出していき高齢者のみの壊滅的な状況となります。

国も少子化対策をすすめておりますが、少子化になる原因は、経済的な部分よりも、社会構造的な部分による問題を解決せねばクリアできないと思います。

簡単に言えば、結婚する事に、興味がない若者が存在するという事です。私たちの世代のように、当たり前のように結婚して家庭を気づくという時代ではなくなって来ております。

じゃ、どうすれば良いのか?

残念ながら、誰にも、どうにかできる問題ではありません。

どうにかできる問題であれば、人口減少せずに、人口は増加するばかりとなります。発展途上地域以外は、世界中の国が同様に人口が減少しているのです。家族を持つ幸せよりも、自分が生きる幸せを取る生き方が世の中で肯定されているに他なりません。昔のように、親から、そろそろ結婚したらどうか?と口うるさく言われる世の中ではなくなったという事です。

人口が減少して行くということは、当たり前で、消費も減退します。先進国のほぼ全てが同様で国力が低下して行きます。今はインドが人口増加を続けていますが、これもあと30年くらいしたら、先進国と同様になることが予想されます。

しぼんで行くというシナリオです。地球にとっては良いことなので、自然の摂理かも知れません。

ちょっと見出しの大恐慌から外れてしまいましたが、貧すれば鈍するという言葉があるように、経済的に豊かではなくなると、間違った判断をしやすくなります。ようは、戦争等の間違った判断をしかねないという事です。窮すれば通ずという言葉があるように、八方ふさがりでどうにもならない状況を戦争で何とかしようという起死回生を狙う訳です。リーダーが貧する事を認めずプライドが高ければ他国に戦をしかける事となります。自分の国の内情が悪いのは、他国のせい・・・という、身勝手な判断です。

正直、景気が後退しているアメリカの一番の金もうけは、戦争です。敵対国を作り戦争をあおり、友好国に武器を売る必要があります。その歯車の中で、貧すれば鈍してしまったリーダーが、間違った判断で戦争をしてしまいます。日本に関して言うと、アメリカが作った仮想の敵対国、中国、北朝鮮、ロシアに備えて軍備を整えて行くことになる訳です。地政学的なリスクに備える事は必要である事ではありますが、武器を持つという事は、武器を使う可能性があり、他人を傷つける可能性があるという事です。一度、拳を振り上げた時に、形勢が悪くなり、待ったをかけても、相手が待ってくれるような都合の良い話はありません。平和ボケしていますが、武器を持つという事は、戦争の覚悟ができているという事です。

世界的に軍事費が大きくなってきております。残念ながら、人は争いが好きな為、この悪循環から脱する事ができません。

誰が、大恐慌を招いているのか?その結果、誰が徳をしているのか?という背景を考えると、恐ろしい世の中だなと思います。