毎日、M&Aに時間を割かれます…。
M&A…。チョコーレートじゃないですよ…。
弊社を買いたいという相談です…。
もう、ここ5年くらいは、この手の話ばかりです…。
引く手数多なのです…。それだけ、弊社は魅力があるという裏返しですが…。
さらに言うなら、弊社は、株価が安いのです。
利益が出てないから…。
ただ、これは、私が社長なので、利益が出ないだけです。
従業員には、嘘だ…。と、思われるかも知れませんが、売上に対する賃金は、中小企業としては、たぶん、トップクラスです。ちゃんと、毎年、定期昇給をしています。赤字でも従業員には、責任がないので、決算賞与を出しています。
あと、私は、有事の際に備えて、設備投資をガンガンします。
地域の環境衛生を守る事が、1番の使命だからです。
その結果、利益は些少どころか、赤字にもなります。
なので、利益が出ておらず、株価が安い為、M&Aの交渉が非常に多いのです。
買収しようとしている会社は、おそらく弊社の本当の潜在能力を高く見ているのでしょう…。
が、ですね…。
ここの会社を買えば儲かるぞ!と、言う考えの人が経営権を握ったとしたら?
地域の為、従業員の為を、真剣に考えてくれるのか?は、甚だ疑問です…。
全く、顔も知らない…。他所の会社を買ってまで、利益を欲しがる人たちですよ…。
買ったあとも、雇用を確保します…。と言いますが、賃金に対して能力の間に合わない人の賃金は大幅にカットしてくるでしょう…。
これは、利益を追求する経営者として、当たり前の事なのですが…。
私は、一度、一宮中部衛生という船に乗った人を、簡単に海に放り出すような、ドライな人間ではありません。
俺は、大丈夫だ…。と、思っているかも知れませんが…。世の中に、能力が高い人はたくさんいます。あっという間に、自分の能力を追い越してくる人もいるわけです。
そして、M&Aに関して言えば、私よりも優秀な経営者はたくさん存在します。
利益を残す経営者です。
それが、一宮中部衛生という社風にあっていれば問題ありません。
従業員を能力主義で、より良い人材と入れ替えていく…。コロコロと働く人が変わっていく…。
そういう会社で、本当に良いのか?という事です。
会社の利益だけを考えるなら、それは、正解です。
けど、私は、昔からある一宮中部衛生という会社の風土、これが大切だと思います。
正直、世の中で言うところのアウトローが集まった会社です。それが、一宮中部衛生の社風であり、一致団結して、地域の為に、一生懸命に働く、ローカルヤンキー集団なのです。
私が、その筆頭です…。
他の経営者が、弊社をM&Aで取得して、果たして、この一宮中部衛生の社風を維持できるのか?
M&Aをした後に、会社は、経営面で良くなるかも知れませんが、本当の有事の際に、賃金ではなく、地域の為に、汗水足らせる仲間が残っているか?
今のところ、私はM&Aは考えておりません…。自分の中では、これが、現在いる従業員の雇用を守る為であり、有事の際に地域に貢献する為です。
ただ、長い目で見ると、M&Aという時代も来るのかな…。と、思います。
私以上に、一生懸命、社長をしてくれる日が来なければ、その時は、M&Aしかないかも知れません…。
あと、10年、私は社長をさせていただこうと思っています。もちろん、私よりも素晴らしい未来を作ることができる社長になるべき人が現れたら、私は、すぐに社長を降ります。
10年後に、一宮中部衛生にとって、理想的な社長後継者が現れなければ、その時は、M&Aという選択もあるかも知れませんが、私としては、従業員の持ち株会社にして、従業員が、良いトップを選び、利益を還元するという方法もあるのかな?と、思います。
今回のM&Aは、真剣に考えなければならない時は、もうちょっと先の話です…。
従業員の皆さんに安心していただきたいのは、買い手が沢山いる将来性が見込める会社だよ…。と、言う事です。